琵琶湖と瀬田川の食材を使ったお食事処「石柳」
滋賀県南西部の琵琶湖南端、緑濃い小山の上に建ち多数の国宝・重要文化財を有する真言宗の大本山にして名刹の「石山寺」。
京都から電車で1時間ほどでアクセスでき、市内の神社仏閣のように人があふれかえっていることもないことから個人的にはぜひ訪れてほしいスポットのひとつなのだが、伽藍は大変広くて見どころも多くゆっくり回れば優に2時間はかかってしまう。
そのため、普通ならお参りついでに食事をしようということになるのだが、寺院は瀬田川沿いに建っていることからそこと琵琶湖でとれた食材を使った料理を出す店が大昔からあってお参りとセットで楽しめるようになっている。
ここで紹介する「石柳(せきりゅう)」は、寺院山門前の駐車場に面して建ち創業が寛政11年(1799年)というから225年の歴史を誇るおすすめの食事処だ。
TEL:077-537-0002
広々とした店内、店頭ではお土産ものの購入も可
店はかなりの大きさで、土日や祝日でもなければ満員で入れない、というようなことはなさそうだ。
自分は平日のお昼を少し回った時間に訪れたが、店内はガラガラだった。
入口のレジの横ではお土産用のしじみの煮つけなども売られているので、食事をせずに買い物だけというのも可能だと思う。
名物「志じみめし」の定食がおすすめ
「石柳」の名物は、店主が考案したという瀬田川で豊富に獲れるしじみを使った「志じみめし」だ。
メニューにはうなぎやうどん、そばなどの麺類も載っているが、やはりこの「志じみめし」をメインにした定食がおすすめだ。
今回は、鯉の煮つけと洗いがついた「瀬田川定食」をいただいた。
猪口
カボチャ、ナス、こんにゃくの煮物が一口づつ盛られていた。
突き出し
ワカサギの佃煮、卵焼き、青菜のごま和え、ペッパーハム。
海老の天ぷら
メニューにもともと海老の天ぷらは載っていなかったと記憶しているのだが……
この定食だったら海老ではなく、何か別の淡水系の食材を使ったほうが統一感があってよかったと思う。
まあ、日本だと海老の天ぷらはとんでもない山の中の店でも出てくることが多いけどね。
鯉の煮つけ
自分は東京の下町に住んでおり、柴又や赤羽などで川魚料理を食べる機会も多い。
この店の鯉の煮つけは見た目こそ東京のそれと煮ており出て来た時には「結構濃い味付けなのかな」と思ったのだが、実際に口に入れるとそれほどしょっぱくもなくむしろ甘みが強く感じられる関西風(?)の味だった。
鯉の身も、固すぎず柔らかすぎずでなかなかの出来栄えだ。
鯉の洗い
そしてメインの志じみめし
しじみの佃煮のようなしぐれ煮を入れて炊き込んだ釜めし風に錦糸卵が散らしてある。
山椒の効いたしじみのしぐれ煮が実にご飯によく合って、量的にはお茶碗にたっぷり2杯はあるだろうかという感じだったが、ペロッと食べてしまった。
そして、もちろん会計の時にはお土産としても購入だ。
ちなみに、味噌汁も具はしじみだった。
石山寺に来たらぜひセットで食事を
冒頭にも記した通り、石山寺は駆け足で訪れるような場所ではなく最低2時間、できれば3時間はかけてじっくり伽藍を見て回りたい名刹だ。
なので、もし訪れるのであれば半日、京都から来るのであれば1日をかけるのがいいと思う。
そして、せっかく琵琶湖の南端瀬田川沿いに建つ寺院まで来たのなら、その土地の産物を使った料理を一緒に楽しまなければもったいないだろう。
江戸時代から続く老舗でもある「石柳」で、往時の人々のことに思いを馳せながら志じみめしをぜひ味わってみよう。
★お好きなバナーに、応援のワンクリックをお願いします!★
コメント