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【奈良で詣でる】本堂の中に満ちている「気」がすごい! 奈良に来たら絶対に参拝すべし「新薬師寺」

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺 奈良県
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パスしてしまう人も多いが、絶対に参拝すべき新薬師寺

今さら言うまでもなく、奈良には数多あまたの観光名所、見どころがありいくら時間があっても足りないくらいだが、ガイドブックなどでメインに紹介されているような場所は平日に行っても国内外の観光客、修学旅行生などで大混雑していることが多い。

そのため、自分のような人の多いところは大嫌いな人間にとっては、どんなに有名なところであろうとそれだけで行く気をそがれてしまうのだが、そんな旅行者にとってムチャクチャおすすめ、そうでない一般の人でも絶対に行くべし!と思う場所が「新薬師寺」だ。

住所:奈良市高畑町1352
TEL:0742-22-3736
WEBSITE:http://www.shinyakushiji.or.jp/

さまざまな寺社仏閣のある奈良でも、この新薬師寺の本堂の中に満ちている「気」のようなものは他のどこからも感じることができないもので、神経が敏感な人ならあまりのパワーに卒倒してしまうのではないか、と思われるほどだ。

光明皇后が西暦747年に建立

新薬師寺は、天平19年(西暦747年)に、光明皇后が聖武天皇の病気平癒を祈って建立したとされている。

奈良時代には南都十大寺のひとつとされ、最盛期の境内はおよそ440m四方に及んだとということだが、今ではせいぜい一辺100m程度と言ったところだろうか。

路地を奥に入って行ったところにあり、看板などが立っていなければ見過ごしてしまうかもしれない。

平安時代には暴風によって金堂が倒壊、本堂が現在のものに置き換えられたほか、鎌倉時代に南門や鐘楼が建立されるなど手が加わり現在の形になっているという。

こじんまりした境内には国宝、重要文化財だらけ

拝観には入場料(大人600円)が必要だ。

境内には南門から入って行くことになる。

南門

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の南門

鎌倉時代の建立で、重要文化財に指定されている。

屋根部が通常よりも大きく感じるが、柱もそれなりに太くて全体にどっしりとした印象を受ける造りになっている。

門の正面には本堂が見える。

鐘楼

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の鐘楼

南門をくぐって境内に入ったすぐ右手には鐘楼がある。

重要文化財に指定された鎌倉時代の建立で、背の高い白い基壇の上に乗り柱だけでなく壁もあるというユニークな造りになっている。

中にある梵鐘は天平時代の作で、これも重要文化財に指定されている。

地蔵堂

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の地蔵堂

参道をはさんで鐘楼の向かい側に建っている小さな建物は地蔵堂だ。

一間四方の入母屋造りで鎌倉時代の建立、これも重要文化財に指定されている。

内部は見ることができないが、室町時代作の薬師如来立像と南北朝時代作の地蔵菩薩立像が安置されているという。

石仏群

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の石仏群

地蔵堂の裏手には、仏様が刻まれた背の低い石板が並んでいる。

長い間風雨にさらされてお顔などは判然としないものも多いが、かえってそれが雰囲気を醸し出している。

どの仏像も個性があって、ひとつひとつゆっくり見てもぜんぜん飽きが来ない。

一説によれば、手塚治虫の漫画「火の鳥 鳳凰編」で描かれている石仏群はこの新薬師寺のものがモチーフになっているらしい。

本堂、薬師如来坐像と十二神将立像

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の本堂

南門から進んだ正面に見える小ぶりの建物が本堂だ。

鎌倉寺院に建立された入母屋造で、この建物自体も国宝に指定されている。

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の本堂概観
奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の本堂裏側

元々は本堂ではなく、密教の修行場だったらしい。

本堂手前には石灯篭が一基ある。

奈良市内にある747年創建の名刹、新薬師寺の石灯篭

本堂の内部へは、左に回り込んだところにある入口から入る。

内部に入った瞬間に、自分を取り巻く空気が一変するのを感じることだろう。

薄暗い本堂内の中央にはご本尊の薬師如来坐像が鎮座し、その周囲を十二神将立像がぐるりと取り囲んでいる。

薬師如来坐像は高さが191.5cmでカヤの木でできているという。

正確な作像時期は不明だが、寺院の建立よりも時代は下り8世紀末の平安時代初期と考えられている。

薬師如来像の特徴で左手には薬壺を持ち、両脇に日光月光菩薩像をしたがえている。

少し丸みを帯びて目を見開いたお顔が印象的で、見る角度によって微笑んでいるようにも病魔と闘うような厳しい表情にも見えるから不思議だ。

なお、寺院のサイトによれば、昭和50年の調査により仏像の中から平安初期の法華経8巻が見つかり、これも国宝に指定されているとのことだ。

そして、このご本尊の薬師如来像をより印象的なものにしているのが周囲に立つ十二神将像だ。

150~160cmほどとほぼ人間の等身大の高さで、江戸時代末期の地震で倒壊したため昭和6年(1931年)に補作された波夷羅(はいら)大将像を除く11体が奈良時代の作。

その11体すべてが国宝に指定されているというから驚きだ。

十二神将とは、ウィキペディアによれば

仏教の信仰・造像の対象である天部の神々で、また護法善神である。十二夜叉大将、十二神明王(じゅうにやしゃたいしょう/しんみょうおう)ともいい、薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる十二体の武神である。

とのことで、12の方角を守っていることから干支の守護神としても信仰されているという。

「よくも、その時代にこれだけの像を12体も作り上げたものだ」と思うくらい、どれも寸分の隙もない豊かな動きと表情をしており、いくら眺めていても飽きない。

ぜひ、ご本尊を含めじっくり時間をかけて細部まで見てほしい。

この本堂内だけで簡単に2時間はつぶれるはずだ(自分はそうだった)。

なお、当然のことながら内部は撮影禁止となっている。

ここに来なければ奈良に来たことにはならないと思う

自分が住んでいるタイのチェンマイには、ワット(寺院)・プラタート・ドーイステープという名刹があり、タイ人の間では「ここに来なければ(参拝しなければ)チェンマイに来たことにはならない」と言われているくらいの場所だ。

奈良にも当地を代表すると言われる寺院や神社、遺跡など観光スポットは数多くあるが、個人的にはこの新薬師寺に来なければ奈良に来たことにはならない、と思うほど強いインパクトのある寺院だと思う。

「きれいだ~」、「インスタ映えする~」とかだけで終わりたくない旅行者は、ぜひ訪れることを強くおすすめする。

自分がそうだったように、奈良そのものの印象がガラッと変わるかもしれないよ。

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