大阪への食材供給地、和歌山
自分のような東京で生まれ育った人間にとっては、「和歌山の食」というと梅干しにみかん、あとはせいぜいラーメンくらいしか思い浮かぶものがない。
が、リタイヤしてから毎年ご祈祷を受けるために高野山を訪れ、その足で和歌山に泊まるようになってからその豊かさ、魅力に目ざめてしまった。
とりわけ、自分がいつも驚くのは地魚をはじめとする魚介類のおいしさだ。
大阪は現役時代から出張でもプライベートでも年に何度も行く機会があり、何を食べても東京に比べておいしくてしかも安い、ということは知っていたが、考えてみればそのすぐ南にある和歌山は大阪へ食材を提供する役割も担っているのだから、その供給源で食べるものは間違いはないのだ。
この記事で紹介する「いろは劇場」は、そんな和歌山の繁華街のど真ん中にあり、地元で獲れた魚をはじめとする各種魚介料理がおいしいうえ地酒も豊富な海鮮居酒屋で、自分が和歌山に泊まる時にはほぼ毎回立ち寄る店になっている。
今では寂れてしまった繁華街の路地の奥でがんばっている
和歌山は「日本で最も寂れてしまった県庁所在地」などと言われることもあるようで、いつ行っても街を歩いている人が少ない。
「いろは劇場」は、おそらくかつては大繁華街だったのだろう「ぶらくり丁」というアーケード商店街から伸びる「銀座通」と名づけられた細い路地を入って行った右手にある。
路地にあるのはシャッターが降りたままの店だった跡の建物や駐車場になってしまった空き地が多いが、「いろは劇場」だけは店の前に大きな看板やのぼり、ちょうちんが出ているのですぐにわかるだろう。
TEL:073-433-3815
カウンター席中心。注文は本日のおすすめを中心に
店内は2階3階もあるようだが、自分は1階しか利用したことがないので詳細は不明。
店内は広くなく、カウンターが中心だ。
席につくと、赤い魚が大きく描かれた敷き紙(マット)が迎えてくれる。
店内の壁にはお客さんのキープした酒だろう、ずらりと並んでおり、冷蔵ケースの中には日本酒の瓶がいくつも入れられている。
料理は既製のメニューから選んでもいいが、一緒に置かれている本日のおすすめが手書きされた紙をまずは見てみよう。
お造りを中心にさまざまな魚が並んでいることが多い。
また、目の前にぶら下げられた紙から選ぶのもいい。
こちらは定番料理的なもので年中貼りかえられるわけではなさそうだが、水揚げされた(?)港も書かれているものが多く、見ていると目移りしてしまう。
店のオーナーさんだろうか、男性の方が非常に親切で、自分のような旅行者だと色々とおすすめしてくれるのでそれにしたがうのもいいと思う。
自分とカミさんは、おすすめされたものと紙に書かれたものとそれぞれからチョイスして注文することが多い。
お酒が好きな人は、和歌山の地酒がメニューにたぶん20種類くらいは並んでいるので、一緒に注文するといいだろう。
刺身、煮物、焼き物、揚げ物……何を食べてもおいしい
この店にはもう何回も足を運んでいるが、特に魚料理は何を食べてもおいしい。
いつもカミさんと2人の少人数で、1回の食事の量が少ない(例えば、食堂で出てくる麺類は日本の半分くらいしかない)タイのチェンマイに普段住んでいるため胃が小さくなってしまっているのかたくさん食べられないのが悲しいのだが、いつもお腹いっぱい魚介をいただいている。
ホウボウのお造り
岩ガキ
太刀魚のお造り
鱧の皮の唐揚げ
カワハギの煮つけ
箸休めにおすすめの泉州水なす漬
駅からだと少し歩くがわざわざ来る価値あり
自分が和歌山に来た時の定宿は、和歌山城のすぐそばにあるビジネスホテル「ダイワロイネットホテル和歌山」だ。
今回紹介した「いろは劇場」は、ホテルからだと徒歩で10分ほどとまったく苦にならない距離で、フロントには割引クーポンが置かれていることが多いのでお得感もある。
和歌山に泊まるというと、店のある「ぶらくり丁」周辺かJRの和歌山駅と南海電鉄の和歌山市駅周辺ということになるのではないだろうか。
どちらの駅からも店までは歩いて15分~20分ほどだと思うが、土砂降りの大雨でもなければ特に帰りは酔いざましも兼ねてブラブラ歩くにはちょうどよい距離だろう。
それだけ歩いても、わざわざ食べに来る価値のある居酒屋だと思うよ。
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