タイのチェンマイに住むガネッシュが、一時帰国で再発見した日本のすばらしい場所を紹介します
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【和歌山で詣でる】ここも高野山の一部、日本最古の眼病平癒所として霊験あらたかな「釜滝薬師金剛寺」

高野山の麓にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺 和歌山県
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高野山はみんなが行く山の上だけではない

「高野山」と言えば、日本人なら誰もが知っている霊場・聖地だろう。

周囲を1,000m級の山々に囲まれた中に「なぜここだけが?」と不思議に思わせる平地(盆地)が広がり弘法大師(空海)が開いたとされる宗教都市が建設され、現在は100を超える寺院(修験場)があり、国内外からの観光客でにぎわう世界遺産だ。

が、実はこの山の上だけが高野山ではないのを知る人は少ないのではないだろうか。

今回紹介する「釜滝薬師金剛寺」は高野山をはるか下った平地に近い場所にあるが、昔は高野山があまりに寒くて修業どころではなくなる冬の間に修験者が避寒を兼ねて滞在し修業を重ねていたという、日本最古の眼病平癒所として霊験あらたかな名刹だ。

自分も今住んでいるタイのチェンマイで眼を患って日本に戻って手術を受けた際に医師から3か月間飛行機禁止を言い渡されたため、眼病に霊験あらたかと言われる寺社を訪ね歩くことを思いつき東京では新井薬師や茶ノ木稲荷ににお参りをしたのだが、さらにどこかないか調べていてここを見つけた。

それ以来、毎年日本に一時帰国するたびにトライブ旅行を兼ねて眼病平癒のご祈祷を受けにうかがっている。

森の中にありアクセスは自前の足のみ

「釜滝薬師金剛寺」は和歌山市内中心部から車で40分ほどだが、周囲は人気も少ない山の中といった雰囲気だ。

一応寺院のある集落までバス路線はあるのだが、時刻表を見ると1日2本とかなので基本的には自家用車など自前の足がないと訪れるのは困難

寺院へは県道4号線でアクセスするが、近くまで来ると道沿いに案内が出ているので迷うことはない。

県道をはずれると道は小さな谷に沿ってどんどん高度を上げていき、ほぼその谷を登り詰めたところにある集落の中に寺院はある。

道沿いに案内看板の出た車の止められる場所があり、そこで車を降りると東方向には今登って来た谷とその先遠景には高野山本体へと続く山並みが臨め、なかなか美しい景色が広がっている。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺入口からの風景

個人的には、雰囲気は大昔に住んでいたネパールでトレッキングで行った時に通ったランタン南のヘレンブー谷の中腹あたり、メレムチガオンの村といったところだ(わかる人いるだろうか?)

住所:海草郡紀美野町釜滝120
TEL:073-489-2830
WEBSITE:http://kamatakiyakushi.com/

寺院は車を止めた場所から坂道を登った100mほど先にある小さな集落の突あたりにある。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺山門への道

9世紀建立の由緒ある薬師寺

寺院でいただいたパンフレットによれば、天長12(835)年に慈覚大師(円仁)がここを訪れ山の下のほうにある木を使って薬師如来像を彫り安置したのが創建にあたるという。

当初は、今の寺院がある場所よりももっと山の上のほうに草木で作られた祠のようなものを建て、そこに薬師如来像だけを安置するだけだったが、鎌倉時代の初めごろ泉州(現在の大阪府)日根野のシナという人が寄進して現在の場所に伽藍を建立し、像を移したという。

なので、寺院のすぐ脇には山が迫っている

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の脇の山

天正年間(1573~1591年)には機田信長の根来攻めにあって本堂が焼失し、その後150年間ほどはどのようになっていたのか記録が残っていない。

享保20(1735)年に高野山の阿遮梨快応が寺院の再建に取り組み、粉川の太郎という棟梁によって18年かかって宝暦3(1753)年に本堂が落成した。

現在の本堂は平成2年(1990)年に修復されたとのことだ。

寺院のそのものはこじんまりとしている

なかなか立派な山門は、平成2(1990)年に新築されたものなのでまだ真新しい。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の山門

山門には「薬師如来」と書かれた木製の額が飾られているが、その下には「壽」と書かれた赤字に白の紙が下げられている。

これは毎年張り替えられる切り絵のような作りになっているのだが、ご住職の話によれば高野山に属する寺院であることの証明なのだそうだ。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の山門の紙文字

山門をくぐって伽藍に入ると、正面に本堂が見える。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の本堂概観

寺院は全体的にこじんまりとした感じだ。

ここが日本最古の眼病平癒所だということを知らなければ、ごくごく普通のわざわざ立ち寄ることもない山あいの村にある寺院にしか見えないだろう。

だが、小さいながらも造りが安っぽく感じないのはやはり歴史の重みというか、さすが高野山の一員のお寺だという気がする。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の本堂正面

本堂の前には、ご住職の奥様が丹精を込めて育てている花が景色を彩っている。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の本堂前の花

本堂の内部には正面から入る。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の本堂内部への階段

本堂内部も広くはなく、それほど華美な印象は受けないがやはり壁の仏画などには歴史が感じられる。

高野山にある日本最古の眼病平癒所、釜滝薬師金剛寺の本堂内部

ちなみに本尊の薬師如来像は秘仏となっており、50年に一度だけ開帳されるという。

しかし、50年に一度だとヘタをすると生きているうちに一度も御開帳に立ち会えない寺院関係者もいそうな気がするのだが……

また、本尊の両脇には2体の仏像が安置されているが、作者は不詳。

天保2(1645)年に仏師を招いて修覆しようとしたが失敗し、後年に高野山の良雲密師が補修を加えて開眼したという。

また、ここには弘法大師の筆によると伝えられる薬師如来本願功徳経が一巻あると言われている。

ご祈祷を受けるなら事前に電話したほうがいい

自分もそうだが、ここを訪れる多くの人の目的は眼病平癒だろう。

なら、ぜひご祈祷を受けよう。

自分も初めてここを訪れて以来、2020年こそコロナ禍でできなかったが、毎年タイのチェンマイから一時帰国するたびに東京から車で訪れてご祈祷をお願いしている。

ご祈祷料は3,000円だが、近隣の住民の方々の菩提寺としての役割も果たしていることから、仏事が入ってしまうとご住職が不在となってしまう。

なので、ご祈祷を受けたければあらかじめ電話で連絡を入れて、ご住職が在寺かどうかを確認してからにしたほうがよい。

それでも、急に誰かが亡くなったりしてしまうこともあるが。

東京から毎年ご祈祷を受けに行くお気に入りの寺院

自分は、今住んでいるタイのチェンマイ、大昔に住んでいたネパールのカトマンズ(実際は南隣の街のパタン)でも、機会があればお参りに行くお気に入りの寺院があるのだが、この釜滝薬師もまさに「気が合う」という言葉がピッタリで、これからも来られる限りは参拝してご祈祷を受けたい寺院になっている。

今のところ、日本でそのような場所はここ以外では京都宇治にある黄檗宗の大本山萬福寺だけだ。

単純に寺院巡りをするだけというだけならわざわざ訪れる価値はないかもしれないが、自分のように眼病平癒を祈りたい、という人にとっては日本最古の眼病平癒所でもあるのでぜひご祈祷を受けに来たらいいと思う。

時期によってはウグイスの声があちらこちらから聞こえて来たりして、和歌山の山あいの雰囲気を楽しめるし、大阪からもわざわざ訪れる人がいるという人気のベーカリーカフェもすぐ近くにあるので立ち寄るといいだろう。

自分は毎年こちらの寺院で眼病平癒のご祈祷を受けていますが、東京から行くのでその後はいつも和歌山市内に泊まります。

いつもお世話になるのは、市内中心部の「ダイワロイネットホテル和歌山」。

和歌山市内中心部、和歌山城のすぐ北隣に建っていて、安いビジネスホテルとは違う少し余裕のある広さの客室からは和歌山城が一望でき、朝食に和歌山県の特産品が並ぶなどコストパフォーマンスが高くおすすめです。

和歌山に泊ることをお考えでしたら、ぜひこちらの記事も参考にしてくださいね。

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