高さ120mを誇る日本三名瀑のひとつ
茨城県北部の福島県と接する久慈川流域の一帯は奥久慈と呼ばれ、いくつもの温泉や蕎麦どころとして知られている。
とりわけ奥久慈渓谷の紅葉は有名で、距離的な近さもありシーズンともなると東京方面からの日帰り観光客で道路は大渋滞となる。
その奥久慈エリアでの一番の見どころといえるのが、袋田の滝だ。
高さ120m、幅73mで4段に落下することから、また西行法師がこの滝を見て感嘆し「これは四季に一度ずつ来て見なければ真の風趣は極められない」と言って季節の移るたびに訪れたと伝えられていることから、別名「四度の滝」と呼ばれている。
中でも厳冬期の凍結した滝の様子は毎年時期になると必ずと言っていいほどテレビニュースなどで取り上げられるくらい有名だ。
買い物・食事するなら店の駐車場がおすすめ
袋田の滝を訪れる人はおそらくほとんどが自動車だと思うが、町営の無料駐車場は滝から約1km離れた場所にある。
滝までの道はところどころ飲食店などもあるが、歩いていてあまり楽しいとは言えない。
さらに滝に近づいたところには商店が立ち並んだ一角があり、それらの店で飲食したりお土産物を買ったりすれば駐車場が無料になるので、そのつもりがあるのなら無料駐車場を通り越してさらに先に進むといいだろう。
非常によく整備された見学コース
滝川を渡ってさらにしばらく歩いていくと、滝の入口があり入場料(大人個人300円、子供150円)を支払う。
見学コースはビックリするほどよく整備されており、車いすでも入ることができる。
入口のすぐ先からトンネルが始まっている。
「袋田の滝 観瀑トンネル」と名づけられたこのトンネルは、276mの長さがあり昭和54年に完成したとは思えないほどきれいだ。
途中には「恋人の聖地」と名づけられた、モニュメントの置かれたわけのわからないスペースもあるが、基本立ち寄る必要はない(笑)
滝の大きさが間近に感じられる第1観瀑台
トンネル入口から200mほど進んだ右側に結構広い展望スペースを有する第1観瀑台がある。
滝つぼに近い場所になり見上げる感じになってしまうので、滝の全貌は後述の第2観瀑台のようには見えないが、間近に流れ落ちる姿は水量が少ない時期(この写真を撮ったのもそのタイミング)であってもかなり雄大に感じられるはずだ。
また、第1観瀑台のすぐそばのトンネルの突きあたりには四度瀧不動尊が祭られている。
滝全体を臨むことができる第2観瀑台
トンネルの突き当り、第1観瀑台の向かい側に伸びるトンネルを30mほど進むと、エレベーターの乗り場がある。
エレベーターで昇った先には、平成20年に完成した第2観瀑台がある。
第1観瀑台よりもかなり高い位置にあり、多層構造になっていて階段を登って一番高い場所まで行くと、袋田の滝の全貌を眺めることができる。
滝の両脇の山々、さらに上流方向に続いている奥行きなど立体的に袋田の滝を感じることができるビューポイントで、右手にはさらに上流にある生瀬滝に通じるハイキングコースなども見える。
袋田の滝に来るのであれば、ここまでぜひ来ることをおすすめする。
戻りは吊り橋を渡って散策コースを経由しよう
袋田の滝の見学を終わったらあとは戻るだけだが、またトンネルを通って同じコースではつまらないので、ここは「渓流散策コース」と名づけられているルートを使ってみよう。
第2観瀑台からエレベーターを降りてトンネルに戻り、第1観瀑台を過ぎて少し行くと左側に急勾配で下った道が伸びているのでそちらに降りて行こう。
トンネルの出口にはチェックポスト(料金所。降りる人は無料)があり、そこを越えると吊り橋が見える。
吊り橋からは、第1観瀑台とともに袋田の滝を横から眺めることができる。
橋を渡ると散策コースが始まる。
おそらく、トンネルができるまではこちらが滝へと通じる唯一の道だったのだろう、結構アップダウンがあり、途中川の脇の岩肌をくりぬいたところに作った通路のような場所を通ったりしてなかなかおもしろい。
途中にはみやげ物屋兼茶店があるので、休憩することも可能だ。
まっすぐ勾配を下っていくと、みやげ物屋の固まっている滝川にかかる橋のたもとに出ることができる。
確かに四季ぞれぞれの滝を見たくなる
自分が行ったのは、初春で滝は凍結しておらずしかも水量がかなり少なかったのだが、それでも今まで見てきた日本国内のいろいろな滝とは一味違う姿をしており、西行法師が言った通り四季ぞれぞれの様子を見たくなった。
幸い自分が住んでいる東京から近いので、日本に一時帰国した時にはまたサクッと来てみようと思う。
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