現役時代の大先輩にお誘いいただいて高田馬場へ
自分がチェンマイ(タイ)から一時帰国していることを知った現役時代の大先輩から「日本にいるならメシでも食いましょう」とお誘いをいただいた。
大先輩はかなりのご高齢で、離れた場所までご足労いただくのは申し訳ない。
なので「ご自宅から近いところでどこかいいところがあれば、そこまで出向きますのでご指定ください」とお伝えしておいた。
少ししてから連絡があった場所は、高田馬場の「愛川」という鰻屋であった。
TEL:03-3200-3717
WEBSITE:https://www.unagi-aikawa.jp/
注文があった後に生から調理する鰻専門店
店は、早稲田通りからほんの少し路地を入ったところにある。
建物は2階がアパートになったかなり年季の入っている普通の民家で、もしかしたら自宅兼用なのかもしれない。
「席が多くないので、予約を入れておきましたから」と大先輩から聞いていたので、時間より少し前に行ったのだが、確かに店内は広くない。
雰囲気は東京の下町のどこにでもある定食屋、みたいな感じではあるが、店の鰻に対するこだわりはかなりのものだ。
店のウェブサイトによれば、
●新鮮な鰻を活きたまま仕入れ、店で捌き注文を受けてから調理を始めるため、本来の旨味が味わえる
●店主が老舗鰻店で培った本場名古屋の焼き方。まずじっくり火を通し余分な水分を飛ばした後タレにつけ旨味をしっかりと含み、さらに焼くことで香ばしさを加える
●タレは醤油発祥の地、和歌山の鎌倉時代から続く湯浅醤油を使用し、鰻だけでなくご飯との相性も抜群
と随所にこだわりをもって鰻料理を提供しているようだ。
肉厚でしっとり焼き上げた香りが漂う鰻が抜群
メニューは鰻のみだが、鰻重のほかに蒲焼や白焼、うざくや串焼き、骨せんべいなどの一品料理も取り揃えている。
珍しいところでは鰻のたたきやかぶとの南蛮漬けなどもあるが、どちらかというと一品料理は夜に酒を飲みながらのつまみに……という人向けかも。
この日は、大先輩がごちそうしてくださるということで注文もすべておまかせだったのだが、いただいたのは鰻重だ。
「愛川」では4種類の鰻重を提供しているが、自分は比べたことがないので食べたのがそのうちのどれかはわからない。
ちなみに、鰻の焼き方は関東風と関西風(100円増し)が選べるらしい。
注文を受けてから調理を始めるため、たっぷり30分以上は待たされる。
大先輩とは久しぶりにお目にかかったので、近況報告などをしていたらぜんぜん待ち時間は気にならなかった。
そして、いよいよ料理が運ばれてくる。
ふたを開ける前から香ばしい香りがプ~ンと鼻ををくすぐる。
しばらくこの状態で、香りだけを楽しみたくなってしまった。
そして、満を持して(?)ふたを取った。
う~ん、良質のうなぎを使っているのが見ただけでわかる。
まずは鰻だけを箸で切り口に運んでみる。
肉厚な鰻をでしっとりと焼き上げてあるので、口触りが柔らかだ。
自分は生まれも育ちも東京の下町なので、普段鰻を食べるというと赤羽とか柴又とかが多く、そういう店のどちらかというと豪快に焼き上げた少し焦げのある濃いめのタレをしっかりしみこませたものに慣れ親しんでいる。
が、この「愛川」の鰻は焦げ目もほとんどなくタレも割と薄味で、とても上品な出来ばえ、という印象を持った。
もちろん、肝吸いとお新香もついている。
日本に一時帰国したらまた来たい味
この、高田馬場にある鰻専門店の「愛川」。
一番安い鰻重でも3,500円(税別)と結構いい値段する(まあ、うなぎはどこで食べても決して安くはないが)ので、そんなに頻繁に食べに来れるような店ではない。
が、もともと自分は日本に一時帰国するのは1年のうちせいぜい4~5週間で、帰ってくれば必ず一度は鰻を食べるので、都心に出る機会があればまたぜひ立ち寄りたいと思う。
リタイヤしてチェンマイ(タイ)に移り住んでしまったのに、こうして声をかけていただいて食事までごちそうしてくださる大先輩には感謝、感謝である。
食事を終えて、近くの喫茶店に場所を移してからさらに2時間ほど積もる話をさせていただき、「また、次に日本に戻った時にもどこかでうまいものでも食べましょう」と約束をしてお別れしたのだった。
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