世界の食が楽しめる東京でも珍しいチベット料理
「プロフィール」にも書いているが、自分は2013年からタイのチェンマイに住みつつ日本を含めアジア各地の旅を楽しんでいる。
お気に入りの旅先は数多くあるけれど、毎年必ず出かけているのがネパールだ。
1988年から2年ほどカミさんと2人で首都のカトマンズ(実際は南隣の街パタン)に住んでいたこともあって友人知人も多く、旅をするというよりは年に1度みんなの顔を見に行くという感じだ。
ネパールはチベットと国境を接しており、国内にはチベット系の民族も多く大昔から深い関係があったが、とりわけ中国によるチベット侵略では多くの難民がネパールに逃れて来て戻るすべを失ったまま暮らしている。
そのためカトマンズにはチベット料理レストランもたくさんあり、インド料理に近いネパール料理に比べてスパイスがきつくなく、中華料理に近いものも多いことから日本人には人気が高かった。
たとえば、こんな店だ。
ところが、なぜか東京ではチベット料理の店というのは聞いたことがなく「日本では食べられないのかな~」と思っていたら、一時帰国した時にお友達から「こんなお店があるんだけど行ってみませんか」とお誘いを受けた。
それが、今回ご紹介する「タシデレ」だ。
ちなみに、店名のタシデレはチベット語で「こんにちは」に相当する挨拶の言葉だ。
曙橋駅を出て靖国通り沿いに歩くとすぐ
「タシデレ」は、普通の人にはあまりなじみがないであろう都営新宿線の曙橋という駅から徒歩3~4分のところにある。
TEL:03-6457-7255
WEBSITE:http://tashidelek.jp/
ほかにも、おそらくJR中央線・総武線の四谷駅と市ヶ谷駅、地下鉄丸ノ内線の四谷三丁目駅からも徒歩でアクセスできると思うが、店に向かう途中はオフィス中心の夜は人通りの少ない道が多い。
店はマンションの1階にあり外観は正直言ってパッとしないが、店内にはチベットの国旗やチベット仏教の鮮やかな色の布などが飾られている。
おすすめはモモ(蒸し餃子)やシャバレ(揚げミートパイ)
店はチベット料理レストランを名乗っているが、実際にはネパール料理やインド料理もある。
お店の人に聞いたところでは、キッチンはインドのダラムサラ(チベット亡命政府が置かれている)出身のチベット人と近年日本でその存在感を急速に増しているネパール人の混合で運営されているそうなので、こういう品揃えになるのだろう。
カトマンズなどにあるチベット料理レストランも、ネパール料理、インド料理、ヘタをすればサンドイッチやパスタを出したりするので、個人的には違和感はないのだが。
とはいえ、せっかくこの店に来るならやはりチベット料理をまずは試してみてほしい。
モモ(蒸し餃子)
具材は牛肉や野菜など選べるほか、揚げた「フライドモモ」もある。
シャバレ(揚げミートパイ)
カトマンズのチベット料理レストランに行った時もまず100%オーダーする、自分が大好きな料理だ。
ラムギュマ(子羊のソーセージ)
チベット料理にあまりなじみのない人には、まずはこの辺がおすすめできると思う。
シメ、あるいはしっかり食事をしたいのであれば、チベット式ラーメンのトゥクパがいい。
チベット料理にこだわらないということであれば、こんなものはいかがだろう。
ツタモリ(カトマンズの先住民族ネワール族式お好み焼き)
店のメニューには「チャタマリ」と書かれている。
現地で食べるものに比べると、具材が結構豪華だ。
チキンティカ(インド式グリルチキン)
パパド(インド式豆せんべい)
ミックスベジタブルサラダ
チベット料理でもなければネパール・インド料理でもないと思うが、ヨーグルトベースのドレッシングがおいしい。
最後はチャイ(インド式ミルクティー)
酒を飲むにはあまり向かないが……
チベット人は、宗教的な理由もあって酒を飲まない人が多い。
また、多くが標高3,000m以上の自然環境が厳しい場所に住んでおり食材もそれほど豊富ではないので、そこから生まれる料理もどちらかと言えば素朴なものが多く正直言って酒を飲むためのつまみとしては物足りなく感じる人もいるだろう。
自分も基本的に酒は飲まないのでぜんぜん平気なのだが、そういった意味では飲み会で使うにはあまり向かないかもしれない。
が、東京はもちろん日本国内を見回してもおそらく非常に珍しいチベット料理を楽しめる店として貴重であり、ネパール・インドと中華料理がミックスされたようなものも多いので日本人の口にはよく合う。
ぜひ、多くの人に試してもらいたい店だ。
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