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【京都で詣でる】1200年超の歴史を誇り眼病平癒の祈願所としても有名な名刹「柳谷観音(楊谷寺)」

長岡京市にある眼病平癒祈願所として有名な名刹、柳谷観音 京都府
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806年創建、眼病平癒祈願所として有名な名刹

京都中心部から南西に10kmほどの長岡京市、大阪府との境に接した小山の中にあるのが「柳谷観音(楊谷寺)」だ。

806年の創建と1200年超の歴史を誇り、眼病平癒祈願所として特に有名で空海(弘法大師)や歴代天皇とも深いかかわりを持つ名刹として知られているほか、近年はあじさいの名所としても有名になっている。

外国人観光客にも超有名な京都市内にある清水寺、金閣・銀閣などのように国宝や重要文化財に指定されているものはないが、よく整備された広大な境内は雰囲気があり、祭事期間中やあじさいの見ごろの時期を除けば人も少ないのでゆっくり参拝することができおすすめの寺院だ。

ハイキングを兼ねる以外は自動車でアクセスすべし

柳谷観音(楊谷寺)は、住所こそ長岡京市となっているものの最西端の緑豊かな小山の連なりの中にある。

住所:長岡京市浄土谷堂ノ谷2
TEL:075-956-0017
WEBSITE:https://yanagidani.jp/

寺院のサイトによれば、公共交通機関を使う場合は阪急の長岡天神駅と西山天王山駅、JR長岡京駅が利用可能だが、寺院のシャトルバスが運行している縁日の日以外はタクシーかハイキングでのみアクセス可能とのこと。

なので、普通であれば自家用車を使って訪れることになる。

自分たちも京都縦貫自動車道を長岡京インターチェンジで降りて向かったが、料金所を過ぎるとすぐに「↑柳谷観音」の大きな看板が出ているほか、道中ところどころに案内看板があるので、それにしたがって行けばあとは4kmほどだ。

はじめは高速道路に沿って進むがそこから離れると道はいきなり狭く急な勾配となり、脇はうっそうとした竹林になる。

ところどころ急カーブもあり対向車とすれ違うのが困難な場所もあるので注意して運転していこう。

途中から道幅は広く走りやすくなり、少し行けばすぐに寺院に到着する。

長岡京市にある眼病平癒祈願所として有名な柳谷観音の参道

弘法大師が広めた眼病に霊験あらたかな独鈷水

寺院のサイトとウィキペディアによれば、柳谷観音(楊谷寺)は平安時代の大同元年(西暦806年、清水寺を開山した第一世延鎮僧都により創建された。

夢のお告げにより清水寺からこの山中に分け入り、古来より眼病に霊験あらたかと言われる十一面千手千眼観世音菩薩像を発見して、堂を建て安置したのが始まりと言われている。

延鎮僧都はその後清水寺に戻ったが、811年に弘法大師(空海)が寺院を参拝した際、堂のそばの湧き水で眼のつぶれた小猿を抱いてその眼を懸命に洗っている親猿を見かけたので、小猿のために17日間の祈祷を行ったところ、小猿の眼が見事に開いた。

そこで空海はその湧き水にさらに祈祷を施し、眼病に効く独鈷水(おこうずい)として広めたとされる。

ちなみに独鈷は「どっこ」と普通は読み、煩悩を打ち砕く密教の修行で使用する仏具の一種のことをさす。

密教の仏具の一種、独鈷

また、豊臣秀吉の側室である淀殿もこの寺院を篤く信仰し、淀城にいる時は毎日ここの水で顔を洗っていたと言われているほか、江戸時代に112代霊元天皇が独鈷水で眼病が治癒したのをきっかけに明治に至るまで天皇家に独鈷水が献上されていたと伝えられている。

さらに113代東山天皇の皇妃新崇賢門院が本尊に祈願をしたところ後の中御門天皇が誕生したことなどから、この寺院には数々の天皇家より下賜されたもの品物が納められているという。

山の中腹に沿って美しくレイアウトされた伽藍

寺院は、小山の中腹に沿って広がっているため、車いすや脚の悪い人は参拝が困難となっている。

まずは、駐車場から石段を登ったところにある山門をくぐって伽藍へと入る。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の石段と山門

山門の先の正面が本堂、右手に阿弥陀堂、左手に書院がある。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の本堂前

書院の奥に弘法大師(空海)が広めたとされる独鈷水(おこうずい)を授かることのできる独鈷水堂がある。

独鈷水堂の前は弘法大師(空海)像が安置され、その前には「弘法大師のお砂踏み」と呼ばれる四国八十八ヵ所霊場の砂が敷かれている弘法大師の足形がある。

独鈷水を飲む前にお参りするとご利益が倍増すると言われているとのこと。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の弘法大師(空海)像

本堂は比較的こじんまりとしている。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の本堂概観
長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の本堂前

正面には「観世音菩薩」と書かれた大きな提灯がぶら下げられている。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の本堂前の提灯

ご本尊の十一面千手千眼観世音菩薩は普段は幕が降りており直接拝むことができないが、毎月17・18日の御縁日には開帳される。

おもしろいのは、この本堂は靴を脱がずにそのまま中に入ることができる。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の本堂内部

また、本堂に入って左手には「なでぼとけ」と呼ばれる十六羅漢の一人の木像がある。

神通力が強く、病人が具合の悪い個所を触れるとその神通力にあやかり治していただけると言われている。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)のなでぼとけ

本堂の裏手は「あじさい回廊」と呼ばれる廊下で結ばれており、最奥部には子授け・安産祈願の奥の院があるが、途中には美しい浄土苑という名の日本庭園があったりするのでゆっくりと見て回ることをおすすめする。

自分が訪れた時はまだあじさいの見ごろには少し早かったのだが、花が美しく浮かべられた水を張った石臼が置かれていたりして心なごんだ。

長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の浄土苑
長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)のあじさいの石臼
長岡京市にある名刹、柳谷観音(楊谷寺)の奥の院

京都が2度目3度目ならぜひ訪れたい

京都は奈良同様見どころが目白押しで、観光するとなるといくら時間があっても足りないが、もしすでに有名な寺社は訪問済みだとか、ツーリストがゴチャゴチャいるような場所が好きではない、という人にはこの柳谷観音(楊谷寺)はおすすめだ。

自動車など自前の足がないとアクセスが困難というところがネックではあるが、逆にそれは訪れる人が少ないということでもあり、いにしえの京都の寺院の雰囲気を味わいたいというような旅行者には特にぴったりな場所だと思う。

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