新潟を旅するようになっておぼえたへぎそばの味
タイのチェンマイに住んでいる自分は一時帰国するたびに日本国内のあちらこちらを旅しているのだが、最低年に1度は出かけているのが新潟だ。
東京からそれほど離れておらずあまり観光地観光地していない、それでいて魚や野菜、そしてもちろん米と酒もうまいとあって、普段チェンマイでは食べることのできない数々の料理に舌鼓を打っている。
新潟のおいしいものは本当に色々あるのだが中でも自分とカミさんのお気に入りはへぎそばで、東京に戻る日はへぎそばのランチを食べてから高速に乗るのがお決まりのコースだ。
ウィキペディアによれば、へぎそばとは
新潟県魚沼地方発祥の蕎麦。つなぎに布海苔(ふのり)という海藻を使った蕎麦を、ヘギといわれる器に盛り付けた切り蕎麦である。
《中略》
布海苔をつなぎに使っていることから、小麦粉をつなぎにした蕎麦や、十割蕎麦などと比較して、ツルツルとした喉越しが楽しめるのが特徴。「へぎ(片木)」と呼ばれる、剥ぎ板で作った四角い器に載せて供されることからこの名が付いた。
とのことだ。
布海苔が入っていることから普通の蕎麦の少しボソボソとした食感がなく、表面はツルンとしている。
東京から比較的近い茨城や長野、山形などの蕎麦を食べ慣れている人からすると好き嫌いが分かれそうだが、これはこれで変化球とも言えなかなか楽しい。
問題は冬の雪の降る時期はなかなか行きにくいことで、まあ新幹線で行けばいい(実際に行ったこともある)のだが、やっぱりドライブがてらのほうが楽しいので、そういう時は東京でへぎそばの食べられる店に行っている。
今回おうかがいしたのは、新宿にある須坂屋そば駅前店直営の「へぎそば 越佐庵 新宿西口店」だ。
新宿西口から徒歩5分。見た目は普通の蕎麦屋
「へぎそば 越佐庵 新宿西口店」は、その名の通り新宿駅の西口にある。
住所:新宿区西新宿7-11-3 平田ビル1F
TEL:03-3361-4043
新宿西口と言っても駅からまっすぐ高層ビル街のほうに向かうのではなく、北の大久保のほうに5分ほど歩いた青梅街道沿いだ。
雑居ビルの1階にあるこじんまりとした店だが、雰囲気はオフィス街の普通の蕎麦屋という感じだが、看板がしっかり出ているので気付かずに通り過ぎてしまうようなことはない。
店内は少し薄暗くて年季の入った感じだが、逆に言えば落ち着いていて居心地はよい。
こんなロケーションなのでお昼時はひどく混雑すると思っていたのだが、いつ行っても外で並ぶようなことがないのも個人的にはうれしい。
へぎそば以外の新潟名物も楽しめ、昼呑みにも使える
店の名前の通り一番のウリはへぎそばなのだが、それ以外にも新潟の名物が色々と揃っているほか地酒も豊富なので昼呑みにも使えるのがうれしい。
自分は行くと酒は飲んだり飲まなかったりだが、新潟料理をつまみのようにして食べてから最後にへぎそばでしめる、というパターンが多い。
普通の居酒屋メニューもたくさんあって機会があれば試してみたいのだが、なかなかそれがないのが残念だ。
箸は本店の須坂屋そばのものをそのまま使用
行くと必ず食べる栃尾揚げ(油揚げ)
この店では本場栃尾の有名店、佐藤豆腐店のものを使用している。
厚焼き玉子
これが意外においしくて、おすすめ。
卵につけられた味が薄くもなく濃くもなく、ペロッと食べられる。
合鴨のスモーク
新潟のものではないと思うが、なぜか地酒に特によく合うのがこれ。
日本酒を飲む時はついついオーダーしてしまう。
そして、何と言ってもへぎそば
ウィキペディアから引用した通り、「へぎ」と呼ばれる四角い木製の器に入れて出されるのが大きな特徴なのだが、手繰り(手振り)が実はすごく重要だ。
一口ずつきれいにまとめられへぎいっぱいににすき間なく並んでいるのが重要で、まとめ方が美しくなかったりへぎの下に敷かれているすのこがあちらこちら見えてしまっているようでは失格だ。
実は、新潟で食べるへぎそばの中には有名店であってもこの盛り付けがイマイチでがっかりすることがあるのだが、この「へぎそば 越佐庵 新宿西口店」は実に美しい。
自然にそばを取る箸を持つ手が止まらなくなる。
もちろんそばそのものも、つゆも合格点だ。
本場の味が東京で気軽に楽しめる
「へぎそば 越佐庵 新宿西口店」の営業時間は、月曜日から金曜日の11時半から14時、17時から22時、土曜日の17時から21時、日曜祝日が定休日となっている。
この店に限らず人が多いのが苦手で昼過ぎの遅い時間に行くのが好き、という自分にとってはちょっと辛いのだが、上記の通りランチタイムでもそれほど激混みというわけではないので、新宿近辺で食事、あるいは誰かとちょっと会って軽く呑む、という場合には助かる。
新潟に行ける時には旅行を兼ねて色々な店でへぎそばを食べるのが楽しいのだが、現地に行けない時は特にありがたく、これからも日本に一時帰国した時には寄らせていただきたい店だ。
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